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» 2016年03月17日 08時07分 UPDATE

直線距離5キロでも共存できるか:飽和感が漂うショッピングモール イオンの戦略とは (1/3)

19日に開業するイオンモール堺鉄砲町が注目を集めている。東に5キロ未満の場所にイオンモール堺北花田があり、身内同士の顧客の争奪戦が懸念されているからだ。今回の新店舗は、飽和感が漂うモール事業の展望を占う試金石となるのか。

[産経新聞]
産経新聞

 流通大手のイオンが19日に開業するイオンモール堺鉄砲町(堺市堺区)が業界の注目を集めている。というのは、東に5キロ未満の場所では既にイオンモール堺北花田(同北区)が営業しており、身内同士の顧客の争奪戦が懸念されているからだ。イオンの開発事業子会社、イオンモールは周辺の独特の交通事情を踏まえ「商圏は重ならない」と説明した上で、ターゲットとする顧客層を別にすることで共存を図る戦略だ。今回の新店舗は、飽和感が漂うモール事業の展望を占う試金石にもなりそうだ。

独特の交通事情

 「十分にすみ分けができる」。イオンモールの藤木光広取締役営業本部長は、こう自信をみせる。

 堺鉄砲町と堺北花田は乗用車で10〜15分程度で行き来できる距離だ。総賃貸面積は堺鉄砲町が約5万6000平方メートルに対し、堺北花田は約7万2000平方メートルで、イオンモールとして中大型規模となる。

 商圏としてすみ分けできるとする根拠は堺市と周辺の独特の交通事情にある。南北方向には鉄道だけでもJR阪和線、南海電車本線、同高野線、阪堺電車阪堺線、地下鉄御堂筋線が走り、幹線道路も南北方向に発達している。これに対し東西方向は鉄道や幹線道路が意外と少なく、移動が距離ほどにスムーズではないのだ。

 イオンモール堺鉄砲町は南海本線七道駅の北側にあり、南海難波駅から普通電車で12分。車では難波から国道26号を南に向かうだけの好アクセスが特徴だ。一方のイオンモール堺北花田は地下鉄御堂筋線北花田駅北側にある。なんば駅からは18分。車では天王寺駅から府道28号線を南下したところにあり、いずれも大阪市中心部からの電車と車のアクセスはいい。

 イオンモール堺鉄砲町の顧客ターゲットは車で20分圏内の56万世帯、人口110万人に設定。堺市の中央部や西部を中心に南北に発達する交通網で北は大阪市西成区、東は同東住吉区、西は同住之江区、南は高石市からも集客できるとみている。

 堺北花田も車で20分の範囲をメーンに堺市東部と松原市を商圏と設定しているが、両モールを行き来するには鉄道はもちろんなく、車では細かい道路を除くと片道一車線の府道187号を通行するしかないのが実情だ。つまり、両モールは地図上では商圏が重なっているようにみえるが、東西のアクセスが不便な交通事情を考えると、集客は南北ラインが中心となるため、すみ分けが図れるという判断だ。

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