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高齢者の5人に1人が貧困 どうすれば老後を守れるのか3分で読める 荻原博子の今さら聞けないお金の話(1/4 ページ)

» 2016年03月22日 08時00分 公開
[荻原博子ITmedia]

荻原博子の著者プロフィール:

 1954年生まれ。難しい経済やお金の仕組みを生活に根ざして分かりやすく解説し、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。

 バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。

 「どんとこい、老後」(毎日新聞社)、「お金は死ぬまえに使え」(マガジンハウス)、「ちょい投資」(中央公論新社)、「荻原博子式年金家計簿2016」(角川書店)、「10年後に破綻する人、幸福な人」(新潮社)など著書多数。


3分で読める 荻原博子の今さら聞けないお金の話:

 「え、そうだったの!?」

 年金、医療保険、介護保険、教育費、投資。私たちの生活に密接な制度や仕組みについて、きちんと理解していますか?

 本連載では、いま話題になっているけど今さら聞けない、身近なお金に関する仕組みや制度のことを経済ジャーナリストの荻原博子が分かりやすく1から解説していきます。


 OECD(経済協力開発機構)の日本に関する資料を見ると、日本の相対的貧困率は約16%でOECD加盟国全体の平均である11%を上回っています。中でも、66歳以上の高齢者の相対的貧困率が最も高く、約19%に達しています。つまり、高齢者の5人に1人は貧困ということです。

 OECD加盟国の中で高齢者の貧困率が最も高いのは韓国(49.5%)。次いで、オーストラリア(35.5%)、米国(21.5%)ですが、4番目が日本。昔、日本と米国はアリとキリギリスに例えられ、「米国の人は貯金せずにお金を使ってばかりいるから老後に貧乏な生活をする人が多い」といわれていましたが、今や数字上では、日本はその米国に肉薄しているという状況です。

 その一方で、総務省の家計調査を見ると、65歳以上の6世帯に1世帯は金融資産で4000万円以上持っています。しかも、金融資産のほかに65歳以上の多くは持ち家で不動産があり、中には田畑を持っているという人もいます。

 ちなみに、2014年12月末の家計の金融資産残高は1694兆円ですが、この約7割は、世帯主が60歳以上の家計で占められています。つまり、潤沢な資産を持っているご老人も多く、二極化して“老後格差”が進んでいるということです。

photo 年代別金融資産残高(出典:財務省)
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