マーケティングなんてカンタンだ! 間違いがちなフレームワークを総点検SWOT分析(4/4 ページ)

» 2016年04月27日 07時04分 公開
[金森努INSIGHT NOW!]
INSIGHT NOW!
前のページへ 1|2|3|4       

【最終アウトプットの示し方】

前述のように、分析結果は「誰が読んでも正しく意味を理解できる文章で示す」ことが重要である。そのために、下記のような例文を開発した。

 ○○を取り巻く環境は、

 「T」というマイナス要因と、

 「O」というプラス要因があり、

 総合的には「T+O」であると言える。

 その中で、

 「W」という弱みをカバーし

 「S」という強みを生かしていく。


 上記文章の「T」と「O」は、フレームの脅威(Threat)と機会(Opportunity)の欄でしっかり解釈ができていれば、その内容をそのまま転記すればいい。ただし、その場合、プラス・マイナスの両面を抽出しているので、当然、相反する内容が書かれることになる。

 そのため、「T+O」として、外部環境は機会・脅威のどちらが勝っていて、どんな状況であるのかというもう一段階の解釈が必要になる。その検討結果を記述する。その検討結果を受けて、「W」と「O」としてフレームの弱み(Weakness)と強み(Strength)の欄の記述内容を転記する。

 その結果、自社を取りまく外部環境の中で強みで弱みをカバーできれば、「攻め」の戦略の方向性が見えてくるだろう。逆に弱みをカバーしきれないのであれば、課題としての「守り」の方向性が見えてくる。

【クロスSWOTとの関係】(図3)

 SWOT分析で解釈をする手法として「クロスSWOT」と呼ばれるフレームも存在する。数のように、「強み×弱み×機会×脅威」というように、各項目の事実を相互に掛け合わせて解釈を導こうというものだ。一般に用いられるこの方法も有用であるが、項目を「掛け合わせる」という感覚が分かりにくいとの声も良く聞かれる。

 だが、やっている内容としては「事実から解釈を展開する」という筆者オリジナルのフレームと同じことだ。クロスSWOTが使いにくいと感じられている方にも筆者のフレームをお試しいただきたい。

 前回も述べたが、フレームワークは便利な反面、使い方を間違えると戦略や施策をミスリードすることにもつながりかねない。特にSWOT分析は本稿の冒頭に記したように、最もその危険性が高いフレームだ。ゆえに、今回も「フレームワークは、使用上の注意をよく守ってお使いください♪」のひと言でまとめさせていただきたい。(金森努)

 →フォローして金森努氏の新着記事を受け取る

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.