飛行機に“最後に乗る”のはどんな人か 羽田空港を分析水曜インタビュー劇場(1分1秒公演)(2/6 ページ)

» 2016年05月11日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

人探しが始まる

土肥: 現状はよく分かりました。で、どのような対策をとられたのでしょうか?

矢嵜: 第一旅客ターミナル・保安検査場のB、C、E、Fの4カ所を使用しているのですが、その中で最も大きいFを7時からフルオープンすることに。これで人の流れがよくなるのかなあと思ったのですが、まだ長い行列ができていました。次に、30分前倒しにして6時30分にフルオープンしました。結果、保安検査場の混雑が緩和されて、人の流れがスムースになりました。

羽田空港第1旅客ターミナルの出発ゲートマップ(出典:日本空港ビルデング)

土肥: 一件落着?

矢嵜: いえ、まだまだです。2次元バーコードやIC機能などを使って搭乗される場合、“かざしもれ”があるんですよ。機械がうまく認識していないのにもかかわらず、窓口を通過される。ということは、実際には通過しているけれども、システム上は通過していないことになるんですよね。

土肥: 人探しが始まるわけですか?

矢嵜: はい。例えば「ドイさんが飛行機に乗っていません」となるので、まずは機内に入って、ドイさんが乗っているかどうかを確認しなければいけません。しかし、先ほど申し上げたとおり、ボーイング777は大型機で500人ほどが乗られている。もしドイさんが後方の座席に座っていると、確認作業に時間がかかってしまう。

土肥: そうすると、出発時間が遅れるわけですね。

矢嵜: はい。“かざしもれ”がないようにあの手・この手を打ってきましたが、最終的には人を増やすことで、9月30日になって、ようやく定時に出発させることができました。しかし残念ながら……今年の2月、定時に出発できた日はゼロでした(涙)。その後も定時に出発できていないことが多いので、503便については徹底的に対策を講じなければいけません。

土肥: 7時30分の便が遅れるということですが、前後の便はどうでしょうか?

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