福島: やはり「クルマ好き」の人ですね。どのDMでも「クルマ好き」の人の購入率は高いのですが、母数が少ない。母数が多いのは「クルマにあまり興味がない」人。この層は、数万円するような高価なモノは、いろいろ調べてから購入するといった傾向があります。
土肥: ふむふむ。
福島: クラスター分析を導入することで購入率がアップしたことも大きいのですが、その一方でセグメント分析を導入したことも大きいですね。
土肥: むむ、また新しい言葉が出てきました。セグメント分析ってどういうものでしょうか?
福島: 先ほども申し上げましたが、クラスター分析とは、顧客情報、クルマの情報などのデータをもとに、顧客の特性やタイプを分類したものです。一方のセグメント分析とは、来店頻度と購買商品のデータをもとに、顧客を分類しています。
結果、どういったことができるようになったのか。全国的に統一したDMを送るときには、クラスター分析を使っています。例えば、「クルマ好きな人」に限定して送る……とかですね。
一方、セグメント分析の場合は、お客さまの来店頻度と購買商品のデータを分析しているので、ターゲットをより絞ることができるようになったんですよ。例えば、以前であれば、エンジンオイルを交換した人に、6カ月後にDMを送っていました。「エンジンオイル交換の時期ですよ。いかがですか?」といった感じで。でも、1年に1回くらいしか来店しないお客さまにとって、そうした情報は響かないですよね。
土肥: この内容のDMを送る……といった場合、送る人・送らない人を明確に分けることができたわけですね。
福島: はい。また、以前は店舗ごとに「ウチはエンジンオイル交換の企画(DMなど)に参加しますが、会員入会のお礼には参加しません」といった具合に動いていました。
そんな感じだったので、予算がある店舗は「全部の企画に参加」していました。その一方で、予算が厳しい店舗は「これとこれだけに参加」と言って絞り込んでいたんですよ。でも、セグメント分析によって、本部から店舗に提案することができるようになりました。例えば、A店はこういったお客さまが多いので、こういったDMを送ったほうがいいですよ、と分析。その分析結果に応じて、企画をパッケージ化することができました。
土肥: よりターゲットを絞って、DMを送ることができるようになったわけですね。ということは、以前より費用対効果がよくなった?
福島: はい。年間1億円ほど経費を削減することができました。また、予算が厳しくてあまり企画に参加できなかった店舗は、機会損失をしていましたが、いまでは費用を抑えながらその他の企画に参加することでお客さまを増やすことに成功することができました。これがそのデータですね。
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