この定例会見での発言が、舛添知事の本質を見事なまでに浮き彫りにしているような気がしてならない。口八丁手八丁でもっともらしく話を盛りながら語る。
舛添知事はメディアへの寄稿で、欧州への出張で「公的住宅のあり方について議論することができた」とし、米国出張では「NY証券取引所とは協力関係を強化していくことで合意した」などと語っているが、やはり曖昧(あいまい)かつ漠然としており、多額の費用を使って彼が出向く必要性は感じられない(参照リンク)。なんなら年度ごとに「都知事の決算報告書」を出してもらったらどうかとすら思ってしまう。
彼の任期が終わる2018年2月までまだ2年近くある。できるだけ早く、本当の意味で知事として首都・東京のために働くという意味を理解してもらいたいものだ。
山田敏弘
ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。
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