女性についての項目では、「女性に関して現在どのような人権問題が起きていると思うか」を問う世論調査の結果が分かる。
この世論調査の結果を「気を付けるポイント」として書き換えると、以下になるだろう。
例えば2015年3月に放送されて批判を受けた「ルミネ」のCMでは、華やかな女性社員とそうではない女性社員を比べ「“需要”が違う」「職場の華」といった表現を用いていた。言葉や企画趣旨がセクハラや職場の差別待遇と取られやすいものと気付いていれば、CMの炎上を防げた可能性がある。
「外国人」のチェックポイントはこう考えられるだろうか。
5月24日には「ヘイトスピーチの対策法(解消法)案」が可決、成立した。今後はより一層「特定の民族や国籍の人々を排斥する表現になっていないか?」という視点が重要となる。
難しいのは、褒めていればいいというわけでもないということ。「白人は優秀」「黒人はスポーツが得意」といったステレオタイプ的な表現も疑うべきだ。
ここまで読んできた読者の皆さんの中には、「気にしすぎだ」「言葉狩りではないか」という感想を抱いた方も多いのではないだろうか。事実、ポリコレは「表現の自由」とぶつかり得る。また、本家の欧米でも、日本でも、ポリコレに対して揶揄(やゆ)する意見は多い。
さまざまな人に届く表現を目指せば、強い言葉が必要とされる場合もある。そのとき発言者に求められているのは、「ポリコレを順守すること」ではなく、「ポリコレには問題があるとわかった上で、その表現を世に発信すること」だ。
「不快な思いをさせたことを謝罪して、発言を取り下げます」――といった道をたどらぬよう、ポリコレを「身を守る武器」として使ってみよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング