一方、大谷の二刀流挑戦に対するチーム内からの異論も栗山監督は絶妙な形でシャットアウトしていた。日本ハム関係者はこう打ち明ける。
「大谷が入団してきた2013年の春季キャンプで一、二軍の全選手一人ひとりと監督は個人面談を行った。そこでは一軍で当落線上にいる選手たちに『投手と野手、両方で勝負しようというルーキー(大谷)が来た。遠慮なく、彼と勝負して圧勝してくれ。そういうプロの厳しさを彼に教えることができる選手が出てくるのを待っている』という主旨のメッセージも送ったそうです。
前例のない二刀流選手が入団してくることで選手たちの間に波風が立つことを防ぎ、逆にチーム方針を理解してもらえるように心血を注いだ。それもあってチーム内から二刀流挑戦に対する不満の声は出なかったし、大谷もすぐ先輩たちに可愛がられて溶け込みましたよ」
プロ4年目で実を結びつつある大谷の“リアル二刀流”。その裏には栗山監督の類稀な「二刀流育成術」があることも忘れてはいけない。
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