ここからBAKEの出店ラッシュが始まる。首都圏および地方大都市で、駅前や繁華街、ショッピングセンターなど人通りの多い立地を中心に店を構えるのが基本戦略だ。工房一体型の店舗で焼き立てを提供し、商品構成はシンプル、そしてチーズやミルクなど北海道産の原材料を使った味わいがどのエリアの顧客にも支持された。
国内での店舗拡大と並行して取り組んだのが海外進出である。2015年8月、香港に海外1号店をオープンしたのを皮切りに、タイ、韓国、シンガポール、台湾、そして今月には中国・上海に新店舗を開く予定だ。アジア各国では北海道に対して良いブランドイメージがあることなどからもチーズタルトはすぐさまヒットし、ついにはBAKEを真似たコピー商品を出す店も続出しているという。「彼らと我々の決定的な違いは味。新鮮な北海道産の原材料を使ったチーズタルトを提供することは難しいだろう」と真太郎氏は動じない。
BAKEがこのようにスピーディーに海外展開できる理由は、「日本でも海外でもすべて味を変えず、同じ商品だから」と真太郎氏は明かす。国によって商品をローカライズせず、北海道の工場で製造された商品をそのまま全店舗に展開しているのである。
加えて、店内オペレーションの簡素化も大きな要素だ。1種類の商品しか扱わないため、オペレーションがそれほど複雑ではなく、現地スタッフのトレーニングも最小限で済むそうだ。多くの店では平均5人のスタッフで調理や接客などの業務を回している。
2016年は国内外で一気に60店舗を新規出店するBAKE。そのため11月には初の自社工場を札幌に竣工予定だ。「これで生産能力は現在の3倍に。今年そして来年と、出店をさらに加速させたい」と真太郎氏は力を込める。世界に向けたチーズタルトの快進撃はまだ止まりそうにない。
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