では、“旧来”のメディアであるテレビはどうなっているのか。
視聴者の高齢化が進んでおり、視聴率は事実上、(日本人全体ではなく)高齢層における視聴率の高さを意味する。テレビはもはや、老若男女を問わず不特定多数の幅広い視聴者を集められるメディアではない。一般大衆の視聴率という武器を失ったのだ。
また、高齢層をターゲットとしない広告主からみれば、現状の視聴率の高さは価値がない。番組枠やCM枠は希少性を失い、視聴率という番組評価の指針までも失われつつある。そのため、キー局は広告主や広告代理店に対する交渉力を徐々になくしているのだ。
テレビ局は、これまで顔の見えない不特定多数を相手に、できるだけ高い視聴率を獲得することにきゅうきゅうとし、どの局も「勝ち組」に追従し続けてきた。その結果、番組づくりの発想が極度に同質的で画一化していった。今やテレビ局自体が大多数の視聴者から見限られている。高齢層の視聴者ですら、画一的な番組編成には愛想をつかしているのだ。
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