“ダメ男を見抜くゲーム”はなぜ生まれた? 恋愛アプリで売上106億円・ボルテージの新機軸(4/4 ページ)

» 2016年06月24日 08時00分 公開
[青柳美帆子ITmedia]
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今度は同僚をダウト

 現在は、本編をクリアしたユーザー向けに新シリーズ「オフィス編」を展開している。主人公と登場キャラクターを全て変更し、今度は“オフィスで共に働く10人の男女のうち9人はダメな社員。たった1人残った運命のパートナーを見つけよう”というストーリーを送る。

スタートした新シリーズ「オフィス編」(C)Voltage

 「『オフィス編』は、『ダウト』というタイトルを継続的に遊んでほしいという思いからスタートした。今度の舞台は会社。婚活と違って主人公以外全員男性キャラクターというのはヘンなので、女性キャラクターも登場する。『こんな同僚は嫌だ!』という案出しをして企画を練った」(田中さん)

 女性がキャラクターとして登場するからには、男性ユーザーもターゲットとして想定しているのか――と思ったものの、答えはノー。同社は男性向けゲームも展開しているが、「ダウト」のターゲットはあくまでも女性だ。「夫が『ダウト』をプレイしていたが、『コワすぎてできない……』とギブアップしてしまった。やはり女性のほうがダメ男やダメな同僚に耐性があるのかもしれない」(堀井さん)。

ライトな層に届いた「ダウト」

 より幅広い層に――という当初の目標は達成されたのだろうか。

広報部の青山碧花さん

 「これまでの恋アプは、プレイしていても『ハマっています!』とSNSで発言することはほとんどなかった。でも『ダウト』は、Twitterでゲームについてツイートしている人が多く、『友達に教えたらハマった』や『みんなでタイミングを合わせてプレイしている』といったこれまでにない感想を見ることも」(青山さん)

 コアターゲットは25〜26歳だが、学生からの反響も今まで以上にある。ダウトの主人公は28歳で彼女たちより少し大人だが、“大人のちょっと怖い世界をのぞくような気持ち”でプレイしているのだろうと青山さんは分析する。

 「アイドルの子が『ダウトにハマってます』とツイートしてくれたこともあった。『恋アプに抵抗があったユーザーを獲得する』をずっとCMの目標に掲げてきたので、とてもうれしかった。また新しいユーザーだけでなく、これまでの恋アプユーザーも違和感なく従来の恋アプと並行してダウトを楽しんでくれている」(青山さん)

 田中さんは「本作をきっかけに恋アプをプレイするユーザーも増えている。プレイまではいかなくても、これまで『ボルテージ』という名前を知らなかった人たちに、『恋アプを作っている会社なんだ』ということが広がっている感触がある」と語る。

 あなたの奥さんや恋人のスマホの中にも、「ダウト」が入っているかもしれない。

アナタは男を見る目、ある?(C)Voltage
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