古参の球団関係者も渋い表情を浮かべながら「由伸(高橋監督)が、そういう役割を果たさなければいけないのは重々承知しているが……」と前置きし、こう続けた。
「理想を言うと本当は由伸ではなく(同じチームOBの)松井(秀喜氏)に監督をやってもらいたかった。これは球団、そして親会社である読売新聞グループ本社の総意だ。だが松井は現在、現役時代に在籍していたニューヨーク・ヤンキースのGM特別アドバイザーの役職に就いていて当面は日本球界復帰を考えていない。それでも原が辞め、後任を決めなければならないとなると消去法で由伸しかいなかった。
江川(卓氏=チームOB、現・野球評論家)や川相昌弘(現・三軍監督、昨季までヘッドコーチ)の名前もメディアでは上がっていたが、実際のところ江川は最初から候補になっておらず川相と由伸だけだった。江川はチームを離れ、余りにも年月が経ち過ぎていたからね。では川相か由伸のどちらかとなった時にネームバリューを考えれば、それは当然ながら由伸になる。しかも川相は後任選定の時点で親しい人間に『自分が監督候補になっている』とペラペラしゃべりすぎたこともマイナスになった。
まあ、巨人は経営を考える上で人気商売だからスター選手の由伸を監督にするしか道がなかったということ。こちらから無理を承知の上で、監督就任をお願いしたから彼には強くモノを言うことができない」
つまり球団側が高橋監督に「注文を付けたくても何も言うことができない」のは、そういう背景が理由なのだという。
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