JR西日本で利用人数が最も少ない路線は三江線で、1日1キロメートルあたりで45人。2010年4月にJR西日本は社長会見で赤字路線のバス転換に言及し、三江線沿線自治体は危機感を募らせ、三江線改良利用促進期成同盟会・三江線活性化協議会の活動を活発化させた。しかし、沿線住民の利用増、他地域からの観光客誘致効果は限定的だ。2010年度の鉄道統計年鑑では1日1キロメートルあたり66人の利用者が、上記の通り2013年度は45人と3割以上も減っている。
2012年にはバスによる増便社会実験も実施した。しかし、その結果を踏まえて、2015年10月にJR西日本は三江線のバス転換の方針を決め、島根県と広島県に通知したと報じられた。
現在までの取り組みとして、自治体主導の鉄道存続とバス転換などを試算したものの、膨大な費用がかかると判明し、資金のめどが立たない。山陰中央新報によると、三江線改良利用促進期成同盟会は7月18日、JR西日本に運行継続を要望すると決め、8月1日にJR西日本社長へ直談判するという。「地元で引き受けられないから、やっぱり鉄道を存続してほしい」。この考え方は近鉄内部線・八王子線でもあったけれど、民間企業にとって受け入れ難い。事実、内部線・八王子線は第三セクターとして存続する道を選んだ。
もし、三江線が廃止された場合、JR西日本の次なる事業整理の対象は、現在下から2番目の大糸線と3番目の木次線だ。大糸線は新潟県の糸魚川駅と長野県の松本駅を結ぶ路線で、このうち糸魚川と南小谷の間がJR西日本管轄、南小谷と松本の間がJR東日本管轄である。
大糸線のJR西日本側も廃止が検討されたようだけれど、糸魚川駅に北陸新幹線の駅ができたため、新幹線アクセスと糸魚川周辺の活性化に期待して廃止論議は棚上げされているようだ。
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