ここは、まず現状をつかむことである。自分は一体どれぐらいの時間、集中して仕事をしているのか。実労働時間を計ってみることにした。といっても大層なことをするわけではない。テキストエディタで原稿仕事を始める前にストップウォッチアプリのスイッチを入れ、終わったら止めて、時間をExcelに記録する。書く仕事、聴く・読む仕事(取材)、打ち合せ(ほとんどないけど)の3種類に分けて、それぞれ時間を実測してみた。
その結果、7月27日から31日までの、実労働時間は28時間44分、1日平均5時間44分である。8月は7日までで32時間、1日平均4時間35分。全然、仕事していないことが明らかになってしまった。取材に出掛けるとき以外は、基本的に机に向かっているはずなのに、この体たらくぶりはどうしたことか。
時間はかなり厳密に計測した。つまり、原稿を書いていて、ちょっとメールをチェックしたとか、ブログを読んで、リンク先を見に行っていたなどの時間は、必ずストップウォッチを止める。気分転換した後、原稿を書き始める時に、またストップウォッチのスイッチを押す。
だから、計測時間は、リアルに実労働時間である。実際、集中して書いたなと振り返ってみても、1時間経っていることはあまりない。筆者の場合、それぐらいしか集中力は続かないようだ。
筆者の仕事は、取材をして原稿に書き起こすことだ。取材のための下調べから取材、そして原稿を仕上げて納品するまでが一本の仕事である。すなわち、ここまでの工程をきちんと仕上げることで、対価をいただく。逆にいえば、価値創造に費やしている時間である。
土日も関係なく、朝早くから夕方まで仕事をしているつもりでも、実際の価値創造時間は、1週間で32時間しかない(計測し始めて10日だから、これから伸びる可能性はあるかもしれない)。効率仕事時間40時間説に従うなら、まだ仕事をできるはず。少なくとも効率が落ちる心配はない、ということだ。
ただ、厳密に時間を計ってみた分かったのが、価値創造以外に費やしている時間の多いこと。企業などにお勤めの方は、価値創造時間とそうではない時間を、簡単に分けることは難しいとは思うが、一度、自分の価値創造時間を計ってみられることをおススメする。(竹林篤実)
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