お金持ちがリスクを冒してでも買う「資産を秘めた種」とは銀座で学んだこと(1/4 ページ)

» 2016年08月16日 06時00分 公開
[桃谷優希ITmedia]

 6月6日の記事で「安定した売り上げを確保するには、普段から種まきをしておかなくてはならない」というお話をしましたが、銀座で飲んでいるお客さまが買うのは「資産を秘めた種」のようです。

 成功者と呼ばれる人たちが購入する商品とはどういうモノでしょうか? 今回は、お金持ちの共通点についてご紹介します。

旅行は未来の自分への投資

 冒頭で挙げた「資産を秘めた種」とはどういうモノでしょうか? 例えば、資産と呼ばれるモノの中に不動産があります。賃貸を目的に収益物件を買う人は家賃が下がりにくい駅近を選ぶなど、長期保有しても資産価値が下がりにくい、もしくは上がることを見込んで投資します。このように、のちに利益をもたらしてくれる不動産などは資産を秘めた種です。

 不動産などは多額の資金が必要ですし、誰でもすぐに手に入れられるというわけではありません。資金力の弱い若い人でもできる投資方法はないのでしょうか?

 不動産投資会社社長のAさん(50代)は、売却した際に購入金額を上回るクルマや時計、カバンを手に入れるのがいいとおっしゃいます。

 「本来、ブランド品や旅行などは資産購入に当てはまらない。ブランド物は流行があるし、旅行も家賃収入みたいに後でお金が自分に返ってくることはない。だけど、若いうちはあちこち旅行に行ったり、良いモノを買うようにしたほうがいいと僕は思っているよ」

 カバンや時計はなんとなく分かりますが、資産性のない旅行がなぜいいのでしょうか? さらに話を聞いてみました。

 「当たり前だけど、投資というのはまだ上がっていないモノを買うからもうかるんだ。不動産投資を例に挙げるなら、東京23区と地方、もしくは固定資産税のかからない海外の未開拓地を買うのとでは動く金額が違う。先見の明じゃないけれど、安く買って予想通り価格が上がればその投資は成功。もちろん、失敗することもある。デベロッパーが『あそこの土地はいいですよ』と言ったとしても、失敗を極力避けるには自分の目で現場を見ないとダメ。自分が行ったことがある場所なら、良いのか悪いのかの判断ができる。

 ゆくゆくはそういう資産を買いたいと考えているのなら、若いうちからできるだけ外に出ることにお金をかけるのは、未来の自分への投資。いろんな経験をして見る目を養うことが『資産を秘めた種』になる可能性は十分にある。

 いいスーツを着ていい時計をして、いいクルマに乗って――というのは、今の僕にはあまり魅力的ではないけれど、若いうちはそういうのも立派な種のもとだよ。いいスーツというのは分かる人には分かるから商談の可能性が広がるし、いい時計をは長く使える。クルマも同じで、ディーラーで素晴らしいサービスを受けられるからそういう世界を知ることができる。若いうちはお金を使って種を作ることが大事。稼いだ金で経験を存分に買うことを惜しんではいけないよ」

いろいろな場所に行くのは未来の自分への投資(写真と本文は関係ありません)
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.