コンビニ各社は、消費者にとっては「横並びの存在」であることを認識しているので、日々さまざまなキャンペーンや独自のサービスを生み出し、差別化を図ろうとしている。
ところが面白いことに、コンビニは他社で成功した事例はもちろん、成功してもしていなくても、大々的に売り出しているモノは自社でも真似して売り出すという習性がある。近年で言うなら、コンビニコーヒーやドーナツが良い例だろう。
販促キャンペーンにおいても、クジで商品が当たるモノやキャラクターグッズと商品を抱き合わせたモノなど、それぞれに違いはあれどやっていることはどこも同じだ。
新しい動きとしては、ローソンがスマホゲーム「Ingress」と協業したキャンペーンを展開している。社会現象にもなった「ポケモンGO」が浸透した今、マクドナルドと同じくコンビニ全店が「ポケストップ」になる日もそう遠くはないのかもしれない。
このように次々とキャンペーンを打ち出すことを、コンビニ本部は「とても良いこと」と認識している。もちろん、キャンペーンは商売の武器なので良いことに変わりはない。しかし、当初は独自のキャンペーンでもその後他社が真似をするので、次から次へと同じようなキャンペーンやサービスが増える事態となってしまう。
以前の記事「コンビニで展開されるキャンペーンが、つまらない理由」でも書いたが、“イタチごっこ”の結果どうなるのかというと、店舗運営の負担が増えるばかりになる。
なぜ、コンビニ各社は多種多様なキャンペーンやサービスを展開するのだろうか。黎明(れいめい)期のころならともかく、コンビニが日本全国に乱立する今となっては、ただ営業しているだけでは大きな集客は見込めないし、通常商品だけでは売り上げ増も期待できなくなっているからだ。
そこで、コンビニ各社は差別化を図ろうとしてあれこれ試みてきたのだが、結局、オリジナリティは保たれず、無駄なサービスや販促キャンペーンばかりが増えているのが現状なのだ。
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