通勤中にケガをしたら? 労災保険が使えるケースと使えないケースマネーの達人(1/2 ページ)

» 2016年08月30日 05時30分 公開
[高橋豊マネーの達人]
マネーの達人

 通勤時に、駅の階段から落ちて骨折したとか自転車に乗っていて転んだなど、いつ自分の身に起こるか分かりません。労災保険では「通勤」が労務提供に不可欠な行為であることから適用になっていますが、すべての通勤について適用されるわけではありませんので注意が必要です。

労災保険の「通勤」について

 労災保険における「通勤」とは、就業に関し、これらの移動を合理的な経路及び方法により行うことをいいます。

  1. 住居と就業の場所との間の往復
  2. 就業の場所から他の就業の場所への移動
  3. 住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動

「就業に関し」とは

 通勤は、その移動が業務に就労するため又は業務を終えたことにより行われるものであることが必要です。

「住居」とは

 労働者が居住して日常生活をしている家等で、業務に就業するための拠点となる場所です。また、台風などの災害により一時的にホテル等に宿泊するときは、その宿泊先が住居とされます。

「就業の場所」とは

 業務を開始し、終了する会社等の場所をいいます。外勤業務に従事する労働者で、会社に寄らず直行の場合、自宅を出てから最初の用務先が業務開始の場所、最後の用務先が業務終了の場所となります。

 しかし、外勤業務でない労働者の場合の直行・直帰中の災害は、「通勤災害」ではなく「業務災害」となります。

「合理的な経路及び方法」とは

 合理的な経路については、一般的には労働者が会社へ届けている通勤経路が該当しますが、通勤のために通常利用する経路が複数あってもいずれも合理的な経路となります。

 また、合理的な方法については、以下のような通常用いる手段が合理的な方法となります。

  • 鉄道・バス等の公共交通機関を利用する場合
  • 自動車
  • 自転車
  • 徒歩等
通勤時に思わぬケガをすることも……(写真と本文は関係ありません)
       1|2 次のページへ

copyright (c) "money no tatsujin" All rights reserved.