いくら「じわじわ」といえども4年も増え続けているのであれば、「私、今日ふんどしなんだ、テヘ」とかうれしそうに語っている女子がいてもいいはずだが、そういう話はほとんど耳にしたことがない。世の人々の「最近多いよね」という肌感覚と、報道にあまりに大きな「ズレ」が生じており、それが「ステマ」という疑念を生じさせているのだ。
では、なぜ4年前から、一般人の体感を上まるほどの、「ふんどし女子推し」がメディアで始まったのか。
これはやはり「ふんどし協会」の役割が大きい。プラスチャーミングがふんどしをおしゃれにアレンジした「SHAREFUN」を発売した2011年12月とほぼ同時期に協会は立ち上がっているのだが、先ほど紹介した報道でも、「ふんどし女子が増えている」という根拠としてちょいちょい取り上げられているのだ。
そう聞くと、「じゃあやっぱり協会によるステマじゃないか」と思う方もいるかもしれないが、個人的にはそういう飛び道具的な話ではなく、これはあくまで協会の「地道なPR活動」の成果だと思っている。
「ふんどし協会」は、ふんどし普及に貢献してくれた有名人を「ベストフンドシストアワード」として毎年、受賞式を開催しており、過去には壇蜜さんも受賞している。また、2月14日を「ふんどしの日」として認定。今年は江ノ電で、「愛のふんどし告白電車」というイベントも開催している。実際にこれが「ふんどし普及」にどれほど役立っているかはさておき、マスコミが食いつきそうなことをコツコツと積み上げてきているのだ。
これが「ステマ」ではないと思う理由は他にもある。
実は「ふんどし女子」という言葉が注目を集めたのは近年だが、「女性用ふんどし」というカテゴリー自体は20年近い歴史があるのだ。
例えば、1996年8月の日経流通新聞には『大脳を刺激して人体エネルギーを高め、新陳代謝や血行を促す効果』があるという女性用ふんどしパンツ「幸福の赤いふんどし」が紹介されている。2006年には、通販会社「ミュー」が、「女性用ふんどし」を「パンドルショーツ」(パンドルは仏語で「垂れる」の意)として販売。百貨店でも扱われるようになり、健康志向が高い一部の女性たちから支持を得ていた。
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