マーケティングの因数分解 3つの「C」とは(1/3 ページ)

» 2016年09月07日 07時15分 公開
[竹林篤実INSIGHT NOW!]
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著者プロフィール:竹林篤実(たけばやし・あつみ)

東大寺学園高校卒業、京都大学文学部卒業。印刷会社営業職、デザイン事務所ディレクター、広告代理店プランナーなどを経て、2004年にコミュニケーション研究所の代表。ブログ:「だから問題はコミュニケーションにあるんだよ


 素晴らしいアイデアを思い付いた! これを生かした新製品を開発、あるいは新サービスを展開すれば絶対うまくいく……と思って始めたビジネスが、うまくいかないことは多々ある。あるいは最初は調子良かったのに、いつの間にかお客さまから相手にされなくなることも。そんなときには、どこが悪かったのかを考えてみよう。考えるガイドになるのが、マーケティングの因数分解だ。

「価値と対価」の交換法則

 ビジネスとは何か。コトラー先生は、次のように喝破された。すなわち、ビジネスとは「価値と対価の交換」であると。

 顧客は、商品やサービスを求めているのではない。その商品やサービスを購入することによって得られる価値のために、対価を払っている。といえば多くの方が、マーケティングの教科書で一度は読んだ「ドリルの話」を思い出されるはずだ。

 セオドア・レビット博士は、その著書『マーケティング発想法』で次のように書いた。「ドリルを買う人がほしいのは、ドリルそのものではなく『穴』である」

 この格言は、筆者が行うマーケティングセミナーで毎回、次のようなたとえ話を交えて使わせてもらっている。

 「この中に、電動ドリルが好きで仕方なくて、何台も集めている人はいますか? そんな人、いませんよね。必要なのはドリルそのものではなくて、ドリルで開ける穴なんだから。だから、もし皆さんの中に時給を計算して3万円を超える人がいるなら、ちょっと考えてみましょう。自分でドリルを買って来て穴を開けるより、時給3000円ぐらいでバイトを雇って、ドリル購入と穴あけをしてもらったほうが、たぶん安くつくのではありませんか。価値と対価の関係を理解するために、これから買物をする時に、自分に質問するクセを付けましょう。それは『これだけの対価を払って、得ようとしている価値はなんだっけ?』です」

マーケティングを因数分解する(写真と本文は関係ありません)
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