そして4つ目が、グローバルのライバルが日本では受け入れられにくいことだ。グローバル市場でiPhoneのライバルといえばサムスンのAndroidスマートフォン「Galaxy」シリーズだ。実際、米ストラテジー・アナリティクス(Strategy Analytics)が行った調査によると(2012年、メーカー別シェア)、サムスンが30.4%で1位、2位がAppleの19.4%となっていた。ところが、2010年代から顕著になった「嫌韓」の影響もあってか、日本市場でも10%を超えていたサムスンのシェアは2014年には4.7%(IDCジャパン調べ)まで下落し苦戦している。
さらに近年、グローバル市場で急激にシェアを伸ばすHuawei、ZTEといった企業も日本国内でブレイクには至っていない。これからだという見方もあるが、このほかにも勢いのある中華系の振興メーカーのほかに、Oppoや小米(シャオミ)などが参入していないこともiPhoneにとって好材料になっている。
このほかにもさまざまな要因を多くのジャーナリストや有識者があげているが、それはほぼ間違いでないだろう。多くの要因が重なり、日本は世界的にも有数のiPhone王国になったのだ。
ただ、データが示す通り「Androidスマートフォンが世界のスタンダードになりつつあるが、日本ではiPhoneが普及している」のが現状だ。だが、近年「格安スマホ」と言われるMVNOとSIMフリーAndroidスマートフォンの登場や、総務省が携帯キャリアに向けた「実質ゼロ円」販売を禁止する指針によって、徐々にiPhoneもシェアが縮小している。
そんな中、9月8日早朝、いよいよiPhone 7/Plusが発表された。16日から販売される今回のiPhoneでAppleは防水防塵、おサイフケータイ対応(FeliCa対応/Suica利用可能)、デュアルレンズカメラ(7 Plusのみ)と、Androidスマートフォンのメリットを盛り込んできた。搭載されていないのは赤外線とワンセグ(フルセグ)機能くらいなので、他メーカーのアドバンテージはほぼないと言っていいだろう。
今後はどうか? ブランド力に加えて、FeliCa機能などを搭載したとなれば、これからも多くの日本人がiPhoneを握りしめているはずだ。
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