「106万の壁」と「国民年金の第3号被保険者の廃止」は無関係ではないマネーの達人(4/4 ページ)

» 2016年09月20日 05時30分 公開
[木村公司マネーの達人]
マネーの達人
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社会保険の適用拡大を感謝して受け入れる

 社会保険と同様、近いうちに適用されるものに個人型の確定拠出年金があります。これにより、平成29年1月1日から国民年金の第3号被保険者でも個人型の確定拠出年金に加入できるようになります。個人型の確定拠出年金に加入したければ、自分で手続きを行い、掛金もすべて負担する必要があります。

 一方、社会保険の場合は勤め先の会社が手続きを行い保険料の半分を負担してくれます。例えば、給与から厚生年金保険の保険料として1万円が控除されている場合、会社が1万円を負担し、合計2万円が日本年金機構に納付されているのです。

 こうして保険料を納付すれば、原則65歳になったとき、老齢基礎年金だけではなく老齢厚生年金も受給できるので、個人型の確定拠出年金と同じように老後資金の準備ができます。

 この他にも社会保険にはさまざまなメリットがあります。社会保険の適用拡大をマイナスにとらえるのではなく、むしろ感謝して受け入れた方が良いのではないでしょうか。


 なお、給与の手取りが減って不安な人は、社会保険に加入して「公的保障」が充実した分だけ、個人で加入している生命保険や医療保険といった「私的保障」の見直しをするといいでしょう。

 例えば、健康保険の被扶養者から被保険者に変わると、病気やケガで仕事を休んだときに傷病手当金を受給できるようになるので、医療保険の入院給付金の金額は下げられるはずです。(木村公司)

著者プロフィール:

木村公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行う。

保有資格:社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定II種


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