早くも“銭闘”モード? 日本ハム、優勝しても素直に喜べない2人の「年俸問題」赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2016年09月29日 11時22分 公開
[臼北信行ITmedia]
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“銭闘”の行方に注目が集まる

 現状、「大谷はMVP」「中田は打点王」を手にする可能性が高い。このことからも球団は両者の査定に「タイトル料」も組み込まなければならないので、それなりの大盤振る舞いは覚悟しなければいけない。その上で2人の来季年俸額についても「両者の開きは縮まっても中田がチームトップで大谷は2番目という体裁を保つ」という方向性に持っていき、やはり波風を立たせないようにするのかもしれない。

 いずれにしても中田と大谷の年俸バランスを考えながら、その2人に対して同時に「ダル査定」を導入しなければならないとなれば、これは球団にとってかなり悩ましい懸案事項となりそうだ。

 ちなみに中田も、そして大谷も将来のメジャー移籍に興味を抱いている。両者の海外FA権取得はこのまま順調にいけば、中田は2018年のオフ、大谷は2021年のシーズン終了間際だ。一部からはこのような見方も出ている。「不文律を破って年俸3億円の大台を突破したダルビッシュは、その2年後にポスティングシステムでメジャーへ移籍した。そう考えれば中田、大谷についてもメジャー移籍の時期は案外早まるんじゃないか。日本ハムはかなりドラスティックな経営戦略を持っている球団だから、その選択もあり得ない話ではない」と。

 多くの観点から注目を集める二刀流・大谷と主砲・中田の契約更改。ポストシーズンでの戦いだけでなく、その後のオフの“銭闘”の行方にも注目が集まる。(※年俸額は推定)

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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