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» 2016年10月18日 08時00分 UPDATE

スピン経済の歩き方:日本のおじさんたちが、「アデランス」をかぶらなくなったワケ (5/5)

[窪田順生,ITmedia]
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アデランスの逆襲に期待

 2005年には、ボクシングの試合中に実際に、選手のカツラが脱げてしまうという珍事が起きて大きな話題となった。こうなると、「ヅラバレ」はカツラーにとって最大の恐怖となる。どこかで秘密が露呈して大騒ぎになるくらいだったら、はじめからカミングアウトをしてしまえ。そんな人々も増えていった。

 実際、やくみつるさん、綾小路きみまろさん、松木安太郎さんなど、著名人が続々とカミングアウトを始めていくのもこのあたりからだ。

 こういう時代の流れを考えると、現在アデランスがCMなどで訴求する「攻める男」というイメージも正直、難しい気がしている。孫正義さんのように、「ありのままのハゲを受け入れる男」のほうがかつらや増毛に頼る男性より、どうしても「攻めている」イメージが強いからだ。

 これまで見てきてお分かりのように、「かつら」は美容ビジネスではなく、「心」のビジネスだ。「高価格帯かつらのビジネスが崩れ始めている」というのは言い方を変えれば、日本の薄毛男性たちの、「多少カネはかかってもとにかくハゲを隠したい」という劣等感が薄れつつある、ということでもあるのだ。

 1970〜80年代の「ハゲ=道を歩くのもはばかれる恥ずかしい存在」というプロパガンダも難しい中で、「男性用かつら」の新しい価値をつくることができるのか。

 アデランスの逆襲に期待したい。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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