コンビニの棚を拡大中の「洗剤」、縮小しているのは?コンビニ探偵! 調査報告書(3/4 ページ)

» 2016年10月20日 07時15分 公開
[川乃もりやITmedia]

流行を知らずに売り逃してしまうことも

 季節によって増減する商品群もある。例えば、春から夏にかけては冷やし中華やざるそばなどの冷たいめん類がスペースを取るが、秋冬には温めて食べるめん類が増える。そうめんや冷麦などの乾めんも、夏場は目立つようにめんつゆと一緒に置かれるが、冬場はその影を潜める。

 実は、コンビニの品ぞろえは本部が棚割り(※)を決めている。春と秋の年に2回、暖かい時期と寒い時期に売れる商品をベースに各カテゴリのスペースを調整した棚割りを店舗に提示し、それをもとにオーナー店長が現場(店)に合わせてアレンジするのだ。

※棚割り=商品を陳列棚のどこに、どのくらい陳列するかを計画すること

 本部が品ぞろえのプロトタイプを提示し最終的な判断は店舗が行うというフローだが、たまにうまくいかないことがある。

 筆者がコンビニのオーナーを始めた10年ほど前、そのころの情報源と言えばテレビやラジオ、新聞などしかなかったので、業界が推している商品や口コミで話題になっている商品への反応が遅かった。本部がいち早くその情報をキャッチして棚割りに組み込んでも、それを分かっていない店との間に情報格差が生まれ「売れる商品を見落とす」ことも少なくなかった。

 数年前、バレンタインに「うまい棒買い占め作戦」というのがあったが、流行にうといダメオーナーだった筆者はこの波にまんまと乗り遅れてしまった。当時、店舗にネット回線を引いてはいたが、うまい棒が売り切れるまでこの情報に全く気付かなかったのだ。「もっと仕入れておけば売れたのに……」と思っても後の祭り。これほど悔しい思いをしたことはなかった。

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