「Galaxy Note7」だけではない! リチウムイオン電池の危険性甲斐寿憲のキニナルモバイル(3/4 ページ)

» 2016年10月20日 11時53分 公開
[甲斐寿憲ITmedia]

バッテリー膨張は危険なシグナル

 過去に所有した携帯電話やデジカメなどのバッテリーが膨張した、といった経験をもつ人もいるだろう。リチウムは化学反応を起こしやすい物質であり、高いエネルギーをため込める性質がある。過充電をすると予期せぬ化学反応が起こり、密閉されたバッテリーパック内部に酸素が発生するのだ。これが電池が膨張した状態だ。

 膨張したバッテリーには酸素がたまっているので、過剰なエネルギーを与えるとあっさり爆発してしまう。その「過剰なエネルギー」を供給する原因は何か。それがリチウムイオンのバッテリーの特性でもある発熱であったりする。高温になったバッテリーが本体内部の回路やセンサーを溶かし、ショートを引き起こし発火の起因になることも大いにある。

 各メーカーはこれを防ぐため、過充電やショートを防ぐ安全機能を搭載している。だが、もしこの機能に欠陥があったり、回路自体の破損や故障をしてしまっていたらどうだろう。作動しなければ、どのリチウムバッテリー搭載スマートフォンでも発火や爆発はないとは言いきれない。ということは「Galaxy Note7だけが爆発する」とも言い切れないのだ。

リチウムイオンバッテリー

 リチウムイオンバッテリーの発火や爆発の原因は、過充電や安全装置の欠陥、故障だけでない。ショートを引き起こす可能性があり、バッテリー自体を破損するような原因であれば事故が起こりうる可能性がある。

 例えば水没や水濡れもそうだ。内部の回路や基盤が水によりショートを起こせば、それが引き金になって爆発する可能性もある。外部からの圧迫も考えられる。ズボンの臀部(でんぶ)のポケットに入れたまま座り本体を曲げてしまえば内部のショートも考えられる。落下の衝撃による内部破損や使い続けることによる製品の劣化も十分あり得るだろう。

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