赤羽のある北区は、国政選挙では東京12区となっており、自民党と公明党の選挙協力により、公明党の太田昭宏氏が選出されている。衆議院議員選挙での自公の選挙協力をみると、自民党からの立候補者を公明党支援するケースが多いが、この地では逆である。それだけ、公明党が強い地なのだ。
一方、北区では日本共産党も強い。前回(2014年)の衆院選では池内沙織氏が比例復活で当選している。また、北区では長年地域で活動し、何期も都議会議員に当選している人もいる。こちらも、確固たる地盤を持っている。
かつては中小企業経営者が自民党、大企業のサラリーマンが社会党をそれぞれ支持していた。そこから取り残された人たちは、公明党や共産党の支持者になっていった。その構造が、いまなお生き続けている。
赤羽は、決して裕福な人の暮らす街ではない。そういった層の人たちを組織化したのが、公明党や共産党である。
街には庶民的な感じの店があふれ、選挙でも庶民大衆的な政党が一定の支持を集める。
だが、そういった人たちのパワーがあふれているのも、赤羽である。『東京都北区赤羽』に登場する人たちも、パワーがないと現れない。
庶民大衆の力にあふれ、その力を都心に供給する街、赤羽。都内各方面に出かけるのに便利な地理的条件から、この街に住みたいと思う人も多い。単身者向けアパート・マンションの家賃はやや高めだ。
赤羽には、エネルギーがある。そのエネルギーを送り出すために、赤羽駅はある。
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