新しい店舗への切り替えは、販売現場にプラスに働いているようだ。4月に燃費データの不正が発覚して以降、世田谷店では来店客が激減。他社からの乗り換えを検討する新規の来店客は半減したという。10月8日のリニューアルオープン以降は、週末の来店客数が2倍に増えた。週末は1日当たり約100組が来店しており、順調な滑り出しとなっている。
世田谷店の小崎哲次店長は「リニューアルしてから、お客さまの表情に笑顔が戻ってきた」と手応えを感じている。新規客の客足も少しずつ戻ってきているという。
また、店舗の機能性やメッセージ性が向上したことから、接客もしやすくなった。EVやPHEVについての説明では、燃料コストなどの分かりやすいメリットだけでなく、災害や停電の発生時に役立つ機能も説明しやすくなったという。小崎店長は「1500ワット使用できると言葉で説明してもうまく伝わらない。デモンストレーションは便利」と話す。
店舗の機能やコンセプトを活用し、地域貢献の活動にも積極的に取り組んでいく。11月には、防災マップを見ながら店舗周辺を散策する「防災ピクニック」の開催を計画。災害時に危険になり得る場所を確認したり、非常食を試食したりしながら防災意識を高めるイベントだ。小中学生を対象とした「エネルギー・環境学習ワークショップ」の開催や、防災に関する地域情報の発信などにも取り組む。
今年の国内販売は低迷が避けられないが、長期的な国内市場の縮小にはそれ以上の危機感があるはずだ。三菱自動車の強みである電動車の価値に対する認知度を高められるのか。消費者と近い店舗から、着実な取り組みが求められている。
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