ライザップはなぜ「結果にコミットできる」のかライザップに挑戦してみた(3/4 ページ)

» 2016年10月28日 07時06分 公開
[上阪徹ITmedia]

ライザップの最大の強みは「トレーナー」

 このとき、瀬戸社長が思い出したのが、高校時代の自らの経験だった。高校3年のとき、恋を告白されて付き合うことになったのだが、その女性は身長152センチメートルで体重が70キログラムを超えていた。

 彼女は痩せることを決意し、瀬戸氏は励ました。そして20キログラム以上のダイエットに成功する。彼女は痩せたことで、外見以外も変わったのだという。キレイになっただけではなかった。散らかっていた部屋が整理整頓できるようになった。振る舞い方、話す内容、話し方もすべて変わった。

 人というのは変われるのだ、変わることで輝けることになるのだ、と瀬戸氏は知った。だが、変わろうとするときには、苦しさも伴う。そこで役に立てるのが、本当の意味で人を応援することだった。瀬戸社長は本の取材でこう語っている。

 「ダイエットの一番の失敗は、やり方を間違えることではなくて、続けられないことなんです。これはダイエット以外でもそうです。つまり、自己実現を阻んでいるのは、続けないこと。三日坊主で終わってしまうこと。ここにこそ、悩んでいる人がたくさんいると思ったんです。だから、そこにパートナーの存在が意味を持ってくる」

 挑戦する人に寄り添い、応援し、続けることを可能にする存在。これこそが、ライザップのトレーナーなのだ。人の弱さをカバーするサービス。ダイエットが長続きしないなら、寄り添って支援する。ここに筋力トレーニングや低糖質食事法というメソッドが加わり、ライザップのプログラムはできているのである。

 それだけに、「トレーナーこそが最大の強み」と答えるライザップ社員は多い。そして、ライザップのトレーナーは、いわゆるスポーツや筋力トレーニングのトレーナーとは異なる。ライザップのトレーナーは、トレーニングのプロではないのだ。ダイエットを成功させるプロなのである。

 トレーナーの採用率は、わずか3.2%だという。トレーナー経験者やトレーナーの有資格者であっても、不採用になることは多々ある。むしろ、トレーナー経験のない、まったく異業種、異職種からの転職者も少なくない。

 トレーナーに求められるのは、結果を出すことだ。ダイエット成功という結果を出すには、何が必要になるのか。筋力トレーニングだけではない。ダイエットを頑張ろうという気持ちにさせ、低糖質食事法を理解してもらい、やるべきことを最後までゲストにやり切ってもらう力が必要になる。

ライザップが提供する低糖質フード

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