急成長する「ミールキット・デリバリー」が、米国でウケている理由来週話題になるハナシ(3/3 ページ)

» 2016年10月31日 07時17分 公開
[藤井薫ITmedia]
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低価格が実現している理由

 そこで気になるのは価格だ。いくら便利でおいしくても、手が出ないような料金設定なら利用できない。ミールキット・デリバリーを購入する場合、1食当たりにかかる金額は普通に比べて少し割高になる(米国人が自宅で料理する場合の平均金額は、1人につき1食当たり4ドルと言われている)。

 利用者が多い「Blue Apron」は、価格が比較的リーズナブルだ。最もベーシックな2人用プランで、1週間に3食(1食で2人分)のメニューをオーダーすると、送料込みで約60ドルだ。1人につき1食当たり約10ドルの計算になる。

 それは「Blue Apron」が、定期デリバリーというビジネススタイルを取っているので、前もって必要な食材だけ確保して手配できるため、低価格が実現できているという。

 この価格設定は絶妙だと言える。確かに、スーパーで食材を買って料理するより多少は割高だけれども、外食するよりは安い。この巧みな価格設定もあって、今、利用者はどんどん増えている。

 現在、米国では150以上ものミールキット・デリバリーを提供するサービスが存在しているという。「Blue Apron」の他にも、有名なサービスでは「Plated」や「HelloFresh」といった競合ブランドがニューヨークを拠点にビジネスを展開している。

。「Blue Apron」のほかに、「Plated」や「HelloFresh」といったブランドが拡大している(出典:Plated)

 この先、ミールキットの市場は、50億ドル規模になると予測されている。そしてすでにミールキット・デリバリーのビジネスをめぐって、多くのサービスがしのぎを削り、激しいバトルが繰り広げられている。また興味深いことに、こうした動きによって米国の食文化や市場がこれまでよりも活性している。

 ミールキットは今後、トレンドとなりそうな気配がある。遅かれ早かれ、日本にも広がりそうなこのサービス、先駆的な米国でどんな進化を見せていくのか、これからの動向を注目したい。

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