クックパッド前社長が買収する「オウチーノ」、ストップ高

» 2016年10月31日 15時28分 公開
[ITmedia]

 10月31日の株式市場で、不動産情報サイトを運営するオウチーノ(東証マザーズ)が値幅制限の上限(ストップ高)となる前週末比150円高(+18.7%)の952円に急騰した。前週末の取引終了後、クックパッド前社長の穐田誉輝氏が株式公開買い付け(TOB)で同社を買収すると発表し、企業価値向上への期待から買いを集めた。

photo 不動産情報サイト「オウチーノ」

 オウチーノは2003年設立。不動産賃貸・売買専門のWebサイトを運営し、13年に東証マザーズに上場した。だが直近の業績は低迷しており、16年1〜6月期は営業赤字を計上。買収が発表される前の時価総額は10億円以下に落ち込んでいた。

 10月28日には穐田氏がTOBを実施すると発表。第三者割当増資と合わせ、穐田氏はオウチーノ株式の3分の2を取得する見通し。筆頭株主で22%を保有する井端純一社長は、株式を売却し、退任する。

 同社によると、井端社長が穐田氏に資本参加を打診。穐田氏は「今後ネットを利用した不動産取引は拡大すると思われ、ユーザー重視の姿勢を徹底した経営体制の構築や人材確保を図り、ユーザー利便性の高いサービスを開発・提供していくことで企業価値増加に資するのではないかと判断した」という。

 穐田氏は、クックパッド創業者の佐野陽光氏が経営陣刷新を求めたことでクックパッド社長を退任し、取締役兼執行役に就いていた。8月末にクックパッド株式を大量に売却している。

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