日本電気(NEC)は11月1〜2日の期間で年次イベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2016」を東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催している。産業別ソリューションや最新のITトレンドにフォーカスした製品などを紹介するほか、関連するセミナーを多数用意している。
今回のイベントで特に注力するテーマが「AI(人工知能)」だ。NECは自社の最先端AI技術群をまとめて「NEC the WISE」と呼ぶ。その技術は、顔認証や光学振動解析、自己学習型システム異常検知、顧客プロフィール推定、自立適応制御、予測型意思決定最適化など多岐にわたる。
会場ではそれらの技術を応用したソリューションなどが展示されている。例えば、テキスト含意認識技術を用いたコンタクトセンター向け「自動応答ソリューション」だ。
テキスト含意認識技術とは、インターネット上の製品やサービスに対する顧客の声、風評など大量のテキストを分析してマーケティングや企業のリスク管理などに活用するもの。従来の技術は、2つの文に含まれる単語の一致・不一致を中心に分析していたため、異なる単語で同じ意味が表現されていたり、同じ単語を用いて異なる意味が表現されている場合に、正しい分析結果が得られない課題があった。NECの技術では、文中における単語の重要性、主語や述語などの文の構造を考慮し、2つの文が同じ意味を含むかどうかを高精度に判定し、より正しいテキスト含意認識を実現できるという。
この技術を応用した自動応答ソリューションは、問い合せ内容の意味を理解し、大量のQ&Aデータから最適な回答案を高精度に抽出しユーザーに自動的に回答したり、オペレータによる回答を支援する。あるシミュレーションではさまざまな問い合わせに対する回答案の正答率が9割を超えたという。
同イベントでは、そのほかにもAIによって人員配置や配車などを全体最適化する物流ソリューションや、建物内の照明や空調をAIによって管理し、エネルギー効率化を図るソリューションなどが紹介されていて、来場者の関心を集めていた。
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