「ライザップ=痩せる」だけではない。新たな取り組みは?ライザップに挑戦してみた(3/4 ページ)

» 2016年11月10日 07時43分 公開
[上阪徹ITmedia]

大学や医療機関と共同で臨床研究

 新たな取り組みとして進んでいるのが、大学や医療機関と共同での臨床研究である。共同研究について明らかにできるのは、東海大学、筑波大学だけだが、これ以外にも大学との共同で臨床研究が複数動いている。それらで出た治験や結果に関しては、しっかり論文にして、運動、健康、肥満、病気に関するいろいろな学会で発表していきたいという。

 テーマは多岐にわたる。内臓脂肪の減少効果、血糖値やHbA1c(ヘモグロビン・エイチワンシー)の値の変化、心理変化、血液データの変化、メタボに関連する生活習慣病、脂肪肝の解消、心筋梗塞リスクの軽減……。

 世の中にはすでに低糖質食に関する研究がある。また、いわゆる筋力トレーニングに関する研究もある。しかし、これらを組み合わせたエビデンスはないのだという。ここにも、多くの大学から興味関心が集まってきているのだそうだ。これまで、こんなことをやっている集団はなかったからである。

 医療との関わりとしてはもうひとつ、医療機関との提携もある。これが大きく拡大中で、提携施設はすでに100を超えている。

 ライザップは開業時から安全に配慮してきた。顧問医師を置き、入会を希望するゲストに健康上の不安があれば、随時、相談する体制を作っていた。

 そして、安全にプログラムを押し進めていくために、医療機関に助言をもらう仕組みをもっと確立させていかなければいけないと考えた。そこで現在では、入会時に必要であれば、提携している医療機関で受診をしてもらう体制が作られている。

 提携が広がっている背景には、医師側のライザップに対する認識の変化がある。肥満からダイエットすることで健康数値が改善することは分かっていても、その手段としてライザップで痩せることが本当にいいことなのか、という思いもあったようだという。それが、じわじわと変わっていったのだ。「これはちょっと違う」と気付き始めている、ということだろう。ライザップにゲストとして通う医師も300人以上になる。

ライザップが提供する低糖質フード

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