なぜ衛星データビジネスでAWSが活用されるのか?宇宙ビジネスの新潮流(3/3 ページ)

» 2016年11月11日 06時30分 公開
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アクセルスペースがAmazonと提携

 欧米で進むクラウドサービスの活用だが、日本でも同様の動きが出始めている。2022年に向けて小型衛星50機による地球観測システム「Axel Globe」の構築を進めるベンチャー企業、アクセルスペースが先日、Amazon Web Service Japanとの提携を発表した。

 具体的には、年間7ペタバイト以上も増加するAxelGlobeの膨大な衛星データをクラウド環境で管理する場合の最適な手法を検討するとともに、撮影画像のオープンデータ化に向けた取り組みを開始したという。これに関連して、既に打ち上げている「ほどよし1号機」から得られた画像をダウンロードできるWebサイトを公開した。

 同社は三井不動産、三井物産、アマナなどとも提携を発表しており、衛星データの活用による高度化を実現していく戦略だ。

 世界的に進む衛星データ量の増加と、それに向けたクラウドサービスの活用。基盤が整うことで、衛星データの利活用がどこまで促進されていくのか見守りたい。

著者プロフィール

石田 真康(MASAYASU ISHIDA)

A.T. カーニー株式会社 プリンシパル

ハイテク・IT業界、自動車業界などを中心に、10年超のコンサルティング経験。東京大学工学部卒。内閣府 宇宙政策委員会 宇宙民生利用部会 委員。民間宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE2015」企画委員会代表。日本発の民間月面無人探査を目指すチーム「HAKUTO(ハクト)」のプロボノメンバー。主要メディアへの執筆のほか、講演・セミナー多数。

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