「君の名は。」関連書籍が絶好調 カドカワの中間期は増収増益

» 2016年11月11日 13時28分 公開
[ITmedia]

 カドカワが11月10日発表した2017年3月期の第2四半期(16年4月1日〜9月30日)の連結業績は、売上高は997億9500万円(前年同四半期比6.2%増)、営業利益は44億1900万円(26,1%増)だった。「ニコニコ動画」などを含むWebサービス事業は減益だったが、映画「君の名は。」関連書籍やメディアミックス作品が好調で、出版事業のセグメント利益が大幅に改善した。

 出版事業は売上高537億4400万円(11.0%増)、セグメント利益38億8400万円(304.2%)と大幅に増収増益。興収160億円を突破した大ヒット映画「君の名は。」関連書籍の売り上げが期待を上回ったほか、「Re:ゼロから始める異世界生活」「文豪ストレイドッグス」「この素晴らしい世界に祝福を」などメディアミックス作品のヒットが続いた。雑誌は事業構造の転換を図り、赤字幅が縮小。電子書籍・雑誌も好調という。

100万部を突破した「小説 君の名は。」をはじめ、関連書籍が絶好調だった

 ニコニコ動画などを運営するWebサービス事業は、売上高160億8800万円(5.1%減)、セグメント利益17億4400万円(39.0%減)と大幅減益。月額540円(税込)のniconicoプレミアム会員は256万人を維持し、「ニコニコチャンネル」有料登録者数の増加はあったものの、4月開催のリアルイベント「ニコニコ超会議2016」のコンテンツ費用やインフラ再構築費用が響いた。

 映像・ゲーム事業は、売上高215億5500万円(12.6%増)と増収だったが、セグメント利益13億1100万円(9.6%減)と減益。映画「貞子vs伽椰子」、アニメ「ARIA The ORIGINATION」「妖怪ウォッチ5つの物語だニャン!」「ジョーカー・ゲーム」、ゲームる「DARK SOULS 3」「Bloodborne」「ダンガンロンパ」シリーズなどが貢献した。

 キャラクター商品、niconicoのコンテンツ販売や著作権利用収入、N高等学校などのスクール運営収入などの事業は、5億8700万円の営業赤字だった。

 上半期の好調を受け、通期の予想を上方修正。売上高2020億円(前回予想から+20億円増)、営業利益60億円(前回予想から+29億円)を見込む。下半期については見込みに大きな変更はない。

カドカワの2017年3月期第2四半期の連結業績

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