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» 2016年11月14日 08時00分 UPDATE

自動車国内大手、全社が減収 円高、市場変調への対応策は (1/2)

国内自動車メーカー7社の2016年4〜9月期連結決算は全社が減収。円高の影響が直撃した。今後も為替や市場の動向が不透明であることから、各社は収益確保に向けた対策を急ぐ。

[加納由希絵,ITmedia]

 国内自動車大手7社の2016年4〜9月期連結決算は全社が減収だった。販売台数は拡大する一方、円高の影響が直撃した。今後の為替や市場の動向も不透明感が強い。リスクに備え、各社はさまざまな手を打っている。決算会見で幹部が方針を語った。

円高でも収益確保図る

 16年4〜9月期連結決算は全7社が減収。国内市場が全体的に伸び悩んでいることに加え、円高による為替換算の影響で海外の収益も低調だった。また、三菱自動車と日産自動車は、三菱自による燃費データ不正問題の影響が大きかった。

 営業損益はホンダとスズキを除く5社が減益または赤字に転落。7社合わせて1兆円以上にも及ぶ為替差損が利益を圧迫した。

 下期も引き続き、為替の動向が懸念材料となっている。通期の想定為替レートを米ドルで103〜104円に設定し、慎重に業績を見積もる動きが目立った。

 円高でも利益を確保するために、まずは販売台数の積み上げを図る。営業赤字に転落した三菱自は、国内販売に少しずつ回復の兆しがあるとして、「下期は黒字転換したい」(池谷光司副社長)考え。ホンダは好調な北米や中国を中心に、新型車で攻勢をかける。

 継続的なコストダウンも利益の積み上げに貢献しそうだ。トヨタ自動車は通期で為替差損1兆800億円の発生を見込むが、原価改善で4150億円の利益を改善できると見積もる。8月時点で予想した3750億円を上回る効果を見込み、営業利益を上方修正した。特別な取り組みではなく、これまで実施してきた原価低減活動の成果が見込めるという。

 日産は、為替の影響を除いた場合、4〜9月期の営業利益が前年同期比3割増になるとし、「事業効率の改善が着実に進んでいる」(西川廣人共同最高経営責任者、CEO)と強調。マツダの丸本明副社長も「収益力がついてきたと判断している」と語った。

photo 米国で好調なホンダの新型「シビック ハッチバック」

SUV、ピックアップに注力

 北米市場の動向も大きな懸念材料となっている。米国では自動車市場の拡大が頭打ちとなりつつある。ガソリン価格が安く、スポーツタイプ多目的車(SUV)やピックアップトラックの市場が全体の6割に拡大する一方、乗用車市場は販売競争が激化。日系メーカーの収益を左右しそうだ。

 その状況でも好調なのはホンダ。好調な主力車「シビック」に加え、下期は今冬に発売する新型「CR-V」の効果も見込む。通期の北米の販売台数は前期比2.9%増の198万5000台の見通し。16年3月期に初めて販売台数160万台を突破した米国市場では、「今期も170万台レベルの販売をやり切りたい」(倉石誠司副社長)考えだ。

 富士重工業も米国の販売台数を13.6%増の66万1700台と予想。市場を見極めながら現地生産を増やし、需要に対応する。

 一方、トヨタは北米の販売台数を下方修正。修正前は前期比微増だったが、0.7%減の282万台に見直した。SUVやピックアップトラックの供給が追い付いていないという。拡大する需要への対応を急ぐ。

 乗用車市場では販売店へのインセンティブ(報奨金)も急激に増加している。日産の西川共同CEOは「上期は乗用車に頼っていたためインセンティブも増えた。下期は商品ラインアップを充実させ、インセンティブが急速に増えないようにしたい」と話す。SUV「ローグ」「アルマーダ」やピックアップトラック「タイタン」といった新型車に期待する。

 米国市場では大統領選の結果による影響も想定され、不透明感がさらに強まりそうだ。各社とも魅力的な商品を投入しながら、動向を注視する構えだ。

photo 「米国市場で製品ラインアップを充実させた」と語る日産の西川共同CEO
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