自動車国内大手、全社が減収 円高、市場変調への対応策は(2/2 ページ)

» 2016年11月14日 08時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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提携も加速

 先行き不透明感や先進技術開発の進展を反映して、上期はメーカー同士の提携も大きく進んだ。それぞれが得意とする市場戦略や技術をお互いに活用しながら、市場の活性化や次世代車の開発などに取り組む動きが少しずつ加速しそうだ。

 日産と共に再建を目指す三菱自は、日産・ルノーアライアンスに加わったことで、購買コスト低減や研究開発技術の共有などのシナジーを見込む。過去に実施してきた改革とは異なる点を尋ねられた池谷副社長は、「(日産とは)軽自動車で密な連携を取ってきた。その関係を生かし、シナジーの具体化とスピード感がこれまでと違ったものになる」と強調した。

 日産も、販売台数が伸び悩んでいるタイ、インドネシア市場において、「(同市場を得意とする)三菱自の知見をフル活用したい」(西川共同CEO)考え。商品の投入や販売ネットワークの強化など、立て直しには1年以上かかるという。

 業界内の動きに関してホンダの倉石副社長も「双方がウィン・ウィンで価値を高められるなら、提携も前向きに検討したい」と語った。

大手7社の2017年3月期連結業績予想
売上高 営業損益 世界販売台数
トヨタ 260,000(-8.5) 17,000(-40.4) 1,010(0.1)
ホンダ 134,000(-8.2) 6,500(29.1) 498(5.0)
日産 118,000(-3.2) 7,100(-10.5) 560(3.3)
富士重 31,800(-1.6) 3,730(-34.1) 106(10.9)
マツダ 31,500(-7.5) 1,500(-33.9) 155(1.0)
スズキ 31,000(-2.5) 2,000(2.4) 287(0.4)
三菱 18,400(-18.9) -276(赤字転落) 93(-11.0)
単位は億円、万台。カッコ内は前期比増減率、単位は%

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