地方の公務員が送った米を、なぜローマ法王は食べたのかスピン経済の歩き方(4/4 ページ)

» 2016年11月15日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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自分の「成果」だけを求めているのかも

 人に頭を下げない、人に頼まない――といった交渉術のほかにも、人工衛星を駆使して米の味を向上させた際の情報収集術、「UFOで町おこし」を成功させた人脈術、そして市役所内で上司から睨(にら)まれ、閑職に飛ばされるという挫折から立ち直る術など、高野さん自身の経験に基づく仕事術が豊富に紹介されている。

 筆者が高野さんにお会いして強く感じたのは、「この人は多くの人が頭の中で考えるだけで、”やったつもりになっていること”を本当に実行に移している人なんだな」ということだ。

 毎日こんなにも頭をペコペコ下げて、謙虚にしているのになぜか仕事がうまくいかない。そんな悩みのある方は、ぜひ高野さんの「行動力」を学んでみてはいかがだろうか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで100件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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