おにぎりはコンビニの主力商品の1つだ。フィルムはもとより、具材の開発にも余念はないが、製造方法の進化にもめざましいものがある。
読者のみなさんは「ふっくらおにぎり」という売り文句を聞いたことはないだろうか? ふっくらおにぎりの開発には、各チェーンが努力と工夫を凝らしている。
中には、食べていてこぼれてしまうほどふっくらしているモノもあるので、「コンビニはお客さんのことを考えて味を進化させてきたんだろうなあ。おいしいおにぎりを提供したい! という思いもあるんだろうなあ」と思われたかもしれないが、コンビニ本部にそんな気持ちは、正直、これっぽっちもない。
確かに、ふっくらしたおにぎりは食感がいいのでおいしく感じるが、その正体は「空気」だ。つまり、おにぎりをふっくらさせればさせるほど、コンビニの利益率は高くなるという“カラクリ”があるのだ。
店舗にもよるが、おにぎりの平均販売数は1店舗当たり1日200個前後。おにぎり1個当たり10粒の米を減らせるとしたら、1日で2000粒、年間で73万粒。1万店舗あるチェーンともなれば、73億粒もの削減になる。
一説によると、1升の米粒の数は「ムシヤフナ」(64827粒)らしい。1店舗当たり年間10升(150キログラム)以上もの米が削減できるとしたら――本部がおにぎり開発に熱を入れるのも、賢明な読者なら“空気”を読んでいただけるだろう。
元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿」
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