侍ジャパンはこのまま“終わる”のか赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2016年11月25日 10時18分 公開
[臼北信行ITmedia]

小久保監督の責任を問う声が噴出

 実を言うと昨年秋の国際大会「プレミア12」において侍ジャパンがライバル国の韓国に歴史的恥辱の逆転負けを喫したことで、NPB内部からも幹部クラスの間で小久保監督の責任を問う声が噴出していた。チーム指揮官の解任を求める世論が強まり、それを受けて一部の関係者たちが実際に水面下で動き出そうとしたものの小久保監督の契約体系が大きなネックとなったという。事情通はこう語る。

 「2013年10月に就任して以来、小久保監督は侍ジャパンの編成面やその運営母体であるNPBエンタープライズなどを実質取り仕切るNPBと契約を結び続けている。一説によるとその契約は次のWBCまでと決められており、年俸も8000万円とささやかれている。だからWBC開催より前に解任するとなると、どうやら小久保監督に対する莫大な違約金が運営会社側に発生してしまう流れとなる可能性があったらしい。だから小久保監督については『プレミア12で失敗はしたが、もう続投させる他に選択肢はなかった』というのが関係者の一致した見方だ」

 侍ジャパンの常設化が決まってから、小久保監督は初の指揮官として任命された。最終目標はWBCでの世界一奪回なのだから、任期はそこまで設けられて当然という見方もきっとあるだろう。しかしながらその任期を全うさせることばかりに重きを置き過ぎたがため逆に足かせとなってしまうとすれば、それこそ本末転倒だ。

 そしてウワサされる契約内容についても、補足しておきたい。いくら常設化されて以降、初の侍ジャパン指揮官とはいっても「年俸8000万円」は明らかに高過ぎる(第1回WBC=王貞治監督、第2回WBC=原辰徳監督、第3回WBC=山本浩二監督の歴代日本代表監督3人は契約期間が短かったこともあり、契約料はわずか150万円だったとも言われている)。

 しかも小久保監督には、指導者の経験がまったくないことを考えれば明白だろう。国の代表監督はもちろん、プロ野球12球団でコーチもやったことがない未経験者をいきなり厚遇で重要なポストに迎え入れたところについては、やはりどうしても疑問符が拭えない。

 「それでも就任当初からしばらくはファンも優しい目で見ていた。だがプレミア12の準決勝で痛恨の采配ミスを犯したことで、小久保監督は経験不足の本性を露(あらわ)にしてしまった。ネット上で『素人監督』と揶揄(やゆ)されている理由はまさしくそこにあります。

 そういう意味では今回の侍ジャパンの目玉でありキーマンとなる二刀流・大谷翔平(日本ハム)の起用についても、小久保監督はうまく使いこなせるのかが非常に不安視され始めています。なにせ大きな采配ミスを犯した“前科”のある指揮官が、ただでさえ起用の難しい二刀流のプレーヤーを球数制限のある国際試合で使うことになるわけですからね。日本ハムにも気を使わねばならないし、その責任は極めて重大です」(前出の事情通)

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