カシオのBluetooth対応「お天気情報お知らせクロック」が切り開く、クロック製品の未来(1/2 ページ)

11月30日に発売したばかりの置き時計製品「お天気情報お知らせクロック」。その名の通り、液晶パネル上に天気予報の情報を表示してくれるというものだが、生まれるまでには意外な壁があった――。クロック開発の担当者に聞いた。

» 2016年12月01日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

 時計製品には、大きく分けて「ウォッチ」と「クロック」の2つのカテゴリーがある。ウォッチは腕時計や懐中時計など身に付けて利用する時計のことを指し、クロックは置き時計や掛け時計など決まった場所に設置して使われる時計のことを指す。

 「嗜好品としての時計」というとどうしてもウォッチ製品が話題に上がることが多いが、一方のクロック製品も私たちの生活に決して欠かすことができない必需品として、常に安定した需要がある。G-SHOCK、OCEANUS、PRO TREKといったウォッチ製品でおなじみのカシオ計算機(以下、カシオ)も、実は古くから多種多様なクロック製品を世に送り出し続けているクロックメーカーの1社だ。

 そんなカシオが2016年11月30日、これまでにない機能を備えた置き時計製品「お天気情報お知らせクロックDWS-200J」を発売した。その名の通り、液晶パネル上に天気予報の情報を表示してくれるというものだが、同製品の企画・開発を担当した商品企画部の北村晃氏によると、これまで存在した類似製品とはコンセプトが根本的に異なるという。

カシオが発売した置き時計製品「お天気情報お知らせクロックDWS-200J」

 「これまでも天気予報の表示機能を持つクロック製品は他社製のものも含め存在しましたが、内蔵する気圧計で気圧の変化を読み取って天気を予測するというもので、精度があまり良くありませんでした。当社でもかつてそうした製品を販売していましたが、約10年前に取り扱いをやめていました。しかしこのたび、技術面でブレークスルーがあり、正確な天気予報情報を表示することが可能になりました」

簡単なようで難しかった“天気情報機能”

Bluetooth連携技術でつながるスマホとクロック。専用アプリで設定すると、自動で最新の天気情報を取得して時計に転送してくれる

 天気予報の表示を可能にしたのは、スマホとのBluetooth連携技術だ。iPhoneに専用アプリをインストールすると、ネットワークを通じて自動的に日本気象協会から最新の天気予報情報を取得し、それをBluetooth経由で時計に転送する。Bluetooth接続が切れない限り、アプリによる最新の天気情報の取得や時計への転送は、ユーザーが特別な操作を行わなくともほぼ自動的に行われるため、ネットやTVの天気予報で目にするのと同様の最新情報が置き時計に常に表示されるようになる――というわけだ。

 北村氏によれば、「正確な天気予報を置き時計で参照したい」という消費者ニーズは、以前から確実に存在していたという。

 「弊社のクロック製品のお客さまに『時刻以外にどんな情報が時計に表示できるとうれしいか?』というアンケートを取ると、常に『朝出かける前の天気予報』という回答が多く寄せられていました。置き時計に天気予報が表示されていれば、意識せずとも最新の天気予報をチェックできます。その情報をきっかけに『今日は寒いみたいだから厚めの上着があるといいよ』や『折り畳み傘を持って出てね』など、家族内でのコミュニケーションが生まれるということも期待できるのではないでしょうか」

 潜在的なニーズは以前からあったものの、技術的な壁に阻まれてなかなか製品機能に取り込むことができずにいたという。そうした状況に、スマホとのBluetooth連携技術は風穴を開けた。

 「当社では早くからウォッチ製品とスマホとのBluetooth連携にはかなり力を入れてきました。そこで培った技術をクロック製品に応用すれば、これまで不可能だった天気予報表示が可能になるのではと考えたのです」

 こうして製品の企画・設計に着手したのが、今から約3年前のこと。実際に開発に着手してみると、苦労の連続だったという。

 それまで同社のクロック製品は、電波時計の機能を備えたエンジンモジュールを共通で採用しており、それに付加機能の部品を追加する形で比較的効率的に個々の製品を設計・開発できていた。しかし今回の製品ではBluetooth接続という大きな機能が新たに加わり、さらに天気予報を表示するためにディスプレイの情報量も大幅に増えるため、エンジンモジュールをイチから新たに開発する必要があった。

 天気予報の表示も、単にその日の予報を1つ表示するだけでなく、3時間ごとの予報を4つ、もしくは異なる日の予報を4つ並べて表示する仕様とし、さらに予報内容を表す絵柄も「晴れのち曇り」と「曇りのち晴れ」で異なるデザインにするなど、それまでの置き時計製品と比べディスプレイに表示する情報量は飛躍的に増えた。性能の高いディプレイ部品やマイコン部品を採用すればそれでも問題なく処理できるものの、そうなると今度は製品価格が大幅に跳ね上がってしまう……こうした課題を1つ1つ丹念にクリアしていき、約3年の歳月をかけてようやく完成したのが今回発売された「お天気情報お知らせクロックDWS-200J」なのだという。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:カシオ計算機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2016年12月31日

CASIO WATCH SQUARE

お天気情報お知らせクロックDWS-200J