サントリーに学ぶ、タレマネ最前線全社員型(後編)(4/4 ページ)

» 2016年12月02日 07時35分 公開
[櫻井功ITmedia]
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 以上、サントリーホールディングスの事例を手掛かりに、「全社員型タレントマネジメント」の実現に向けた、育成および適所適材のヒントを探ってきた。そのポイントをまとめると以下の通りである。

サントリーホールディングスに学ぶ全社員の活躍を促す育成・適所適材の3つのポイント

(1)全社で寄ってたかって個を育てる

(2)社員のキャリア情報を積極的に収集・活用し、適所適材を実現する

(3)多様な社員のキャリア情報を積極的に開示することで、キャリア自立の促進を図る

 これまで全2回にわたって、近年の日本企業におけるタレントマネジメントの潮流である「全社員型タレントマネジメント」をキーワードに、先進企業の事例をご紹介してきた。

 一部の優秀者層だけでなく、全社員をタレントと捉えようとする見方の変化や、社員一人ひとりの将来価値やキャリア志向性に目を向けた人事評価、異動配置、活躍支援の取り組みは、この数年で着実に広がっているトレンドであり、今後も加速していくことが予想される。日本企業のタレントマネジメントの動向に目が離せない。

著者プロフィール:

株式会社パーソル総合研究所 副社長執行役員 兼 リサーチ部部長 機関誌HITO編集長

櫻井 功

 日本の都市銀行(現メガバンク)において、17年間、国内支店、国際金融部門、大企業営業部門、人事部門、米国現地法人等を経験したのち、GE、シスコシステムズ、HSBCの人事リーダーポジションを歴任。直近では大手リテールチェーンの人事担当役員として、人事制度改革並びにそれを通じた風土改革プロジェクトをリードし、IPO実現に寄与。2016年5月より現職。

パーソル総合研究所とは

 アジア・パシフィック地域最大級の総合人材サービス会社であるパーソルグループのシンクタンク・コンサルティングサービスを提供する総合研究機関。戦略的人事の実現に向けて、膨大な人事戦略にまつわるデータを見える化するタレントマネジメントシステムHITO-Talentを提供している。


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