理論で分かる きゃりーがブレイクした理由キャズム理論が進化している(2/6 ページ)

» 2016年12月02日 07時37分 公開
[永井孝尚ITmedia]

新しいモノはどのように広がっていくのか(イノベーター理論)

 赤文字系ファッションは、私が大学生だった1980年代前半はまだ少数派で大学のキャンパスでは目立っていた。その時代から徐々に広がり、今や当たり前になった。

 青文字系ファッションも、ちょっと前まであまり見かけなかったが、1990年代には青文字系雑誌は創刊されていたし、青文字系ファッションも原宿を中心に徐々に広がっていた。だから青文字系ファッションは「原宿系」とも呼ばれる。そして2011年にきゃりーがデビューして一気にブレイク。いつの間にか青文字系ファッションが街を占拠するようになった。

 ファッションのように、新しいものが普及するときの反応は、人によって違う。「新しいモノ大好き」という人もいれば、「ちゃんと見極めてから試したい」と考える人、さらには「これまでのモノが一番」という頑固な人もいる。これを新しいモノを受け入れる順に、5つのタイプに分類したのがイノベーター理論だ。

  • イノベーター(全体の2.5%): 革新者。新しいモノ大好き。なんでも真っ先に取り入れる
  • アーリーアドプター (全体の13.5%):先駆者。よさそうだと自らで判断したら取り入れる
  • アーリーマジョリティ(全体の34%):現実主義者。他の人がいいと言ったら取り入れる
  • レイトマジョリティ(全体の34%):懐疑派。多くの人が取り入れたら自分も取り入れる
  • ラガード(全体の16%):頑固者。最後まで文句を言って取り入れない

 青文字系雑誌が出た1990年代から、原宿で青文字系ファッションをしていた女性はイノベーター。きゃりーがデビューしたころに青文字系ファッションをはじめた人はアーリーアドプター。そしていま、渋谷にいる青文字系ファッションの人たちはアーリーマジョリティだ。

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