模倣店が増えても、QBハウスも増えるワケ水曜インタビュー劇場(散髪公演)(5/6 ページ)

» 2016年12月07日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

自分の成長を感じられるようなシステム

松本: この業界って独立志向をもっている人が多いんです。学校を卒業して、最初はチェーン店で働く。そこで経験を積んで、将来は自分の店をオープンさせる、といった夢を描いている人が多い。でも、実際は難しいんです。

土肥: 難しい? なぜですか?

松本: 理由は2つあって、1つは人を集めることが難しいこと、もう1つは都市部であれば家賃が高いこと。独立して1人で運営するのであれば問題ないかもしれませんが、スタッフを雇って店を大きくするのは難しい。先ほども申し上げましたが、学校を卒業して、ほとんどの人はチェーン店で働きます。

土肥: それは理美容だけでなくても、他の業界でも同じような傾向がありますよね。できれば大手企業で働きたい。学校を卒業して、個人で運営している店で働きたい、という人は少ないですよね。

松本: 「スタイリスト=不安定」というイメージがある中で、そのような不安をどのようにしたら払拭(ふっしょく)できるのか。やはり、自分の成長を感じられるようなシステムをつくることが大切だと思っています。

 QBハウスにスタイリストで入社しても、がんばれば店のリーダーになれるかもしれない。さらに結果を出せば、店長になれるかもしれない。リーダーシップを発揮すれば、エリアマネージャーになれるかもしれない。一方で、スクールのトレーナーになることもできる。日本でも海外でもキャリアアップの道筋を提供することで、働いている人が「安心できること」が大切なのではないでしょうか。

 例えば、店長になりたいなあと思っている人はどういった道があるのか。全8回(月1回)の研修・認定制度を設けていて、8回目のテストで受かれば店長になることができるんです。こうした仕組みが離職率減少につながったのかもしれません。

 あと、そうそう。若いころはスタイリストとして働いていたけれど、何らかの理由で現場を離れる人もいます。健康上の理由だったり、出産だったり、子育てだったり。数年間のブランクがあると、カットの技術ってどうしても低下してしまうんですよね。そうなると「自分はもう職場に復帰することができない。もう若くはないし」と感じてしまう。

 でも、当社ではそうした人も大歓迎なんです。何らかの事情でブランクはあいているかもしれませんが、そうした人にもスクールに入ってもらう。そこでカットの技術を学んでもらえれば、6カ月で現場に立つことができる。どこかの会社と同じように、結果にコミットしています(笑)。

香港にあるQBハウス

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.