土肥: ふむふむ。海外でライバル店が増えても、QBハウスも増えている理由がみえてきました。海外のスタイリストは日本と違って、技術力に差がある。しかし、スクールを運営しているので、そこで学べば「10分で作業を終える」技術を習得することができる。模倣店はそうした仕組みを整えていないので、チェーン展開するのが難しい。しかし、QBハウスは一定の技術をもったスタイリストをどんどん養成しているので、店を増やすことができる。
ただ、離職率が高いという問題があった。理美容業界はフルコミッションを採用しているところが多いので、生活に不安を感じている人が多い。しかし、QBハウスはキャリアアップのシステムを提供することで、働く人の不安感をやわらげ離職率を低下させた。
話を聞いていて「うまく回っているなあ」という印象を受けたのですが、なぜうまくいっているかというと、これまで多くの人の髪の毛をカットしてきたからではないでしょうか。さまざまな知見を得ることで、課題をひとつずつ潰そうとしているのでは?
松本: 会社を創業したのは1995年。20年以上経ちますが、あと数カ月で累計2億人をカットしてきました。
土肥: 2億人! なんかスゴい数字ですねえ。
松本: この業界で、2億人の髪をカットしてきた会社はなかなかないのでは。そのノウハウを生かしていければなあと。
土肥: ふむ。とはいえ、海外で失敗もたくさんされてきたのではないでしょうか?
松本: はい。成功したこともあるですが、実は失敗したことも多くて。実は……。
(つづく)
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