マネジメントの甘さをさらけ出したDeNA騒動経営トップの責任は?(3/3 ページ)

» 2016年12月12日 10時45分 公開
[松岡功ITmedia]
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 そして5つ目は「経営トップの責任」である。これまで挙げた4つのポイントにもすべて関連することだが、企業が起こした不祥事に対して、その経営トップがどのように責任をとるかは、マネジメントの観点から見ても非常に重要なポイントである。

 守安氏はこの点について、「今回の問題をきちんと納得いただける形で解決して、新たなDeNAをつくることが私の使命」と、辞任せず問題解決に注力することを強調した。それならば、もしキュレーションメディア事業を改革して再開するとしたら、社長直轄でやるべきである。しかも再び同じ不祥事を起こしたらDeNAを解散する覚悟を持って、だ。

守安氏は退任しないというが…… 守安氏は退任しないというが……

 以上、今回のDeNAの騒動について、マネジメントの観点から筆者なりに5つのポイントを挙げてみたが、最後にメディアを生業としている立場から、冒頭の守安氏の言葉になぞらえて一言申し上げておきたい。

 今回の件は、DeNAの信頼性が揺らいでいるだけではない。「メディアそのものの信頼性が揺らいでいる」ことを、メディアにかかわる人たちは肝に銘じておくべきである。

著者プロフィール

松岡功(まつおか いさお)

ITジャーナリストとしてビジネス誌やメディアサイトなどに執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などを経てフリーに。2003年10月より3年間、『月刊アイティセレクト』(アイティメディア発行)編集長を務める。(有)松岡編集企画 代表。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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