GEに学ぶ、日本企業の「これから」キャズム理論が進化している(1/5 ページ)

» 2016年12月16日 07時29分 公開
[永井孝尚ITmedia]

 最新キャズム理論はデジタルテクノロジーを生かして、自社のビジネスを変革し、収益を生み出す上で、役立つ考え方だ。連載第2回まで、キャズム理論の概要と、その最新動向について紹介してきた。

 ところでキャズム理論は、シリコンバレーにある多くのスタートアップ企業で磨き上げられ、発達してきた方法論だ。日本企業は老舗の大企業が多い。それもあって、「キャズム理論の考え方を日本企業でそのまま活用するのは難しいのではないか?」と思われがちだ。

 実際にはキャズム理論は誕生から25年を経て、今や米国でもGEのような125年の歴史を持つ大企業で活用され始めている。日本企業は老舗の大企業が多いといっても、GEよりも大きなところはごくわずかだ。その米国を代表する老舗の大企業GEでも、デジタル変革を乗り越えるべくキャズム理論を活用しているのである。

 そしてキャズム理論は、GEのような米国大企業で蓄積されている経験をフィードバックして着々と進化している。その経験は、日本企業にとっても参考になることが大きいはずだ。

 デジタル変革は「やるべきかどうか?」という選択肢ではなく、いまや「いかにやるか?」という段階である。日本企業にとっても、対岸の火事ではない。

 筆者はキャズム理論による企業変革を支援するキャズム・インスティチュートでマネージング・ディレクターを務めるマイケル・エックハート氏と意見交換する機会を得た。エックハート氏は、「キャズム理論を活用することにより、次の10年間、日本企業はより高い成長ができる」と断言する。

 意見交換の後、筆者も同じ考えを持った。そこでこの意見交換で得られたことと筆者の考えを、皆さんと共有したい。

デジタル変革を乗り越えるために、GEはキャズム理論を活用している(写真はイメージです)
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