「補強に30億円も」巨人が崩壊する危険性赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2016年12月21日 06時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

自分は“飼い殺し”にされてしまうかも

 指揮官が選手の心をつかみ切れるか否かによって、来季の巨人は勝負の行方が大きく分かれるように思われる。もしそれが「否」となれば、由々しき事態を招く危険性も高い。なぜならば巨大補強によって余剰人員となった選手はチームの不満分子となってしまうことも十分にあり得るからだ。

 超豪華なメンツがそろった今オフの補強メンバーが期待通りの活躍を見せれば、普通に考えても現有戦力から何人かがツマ弾きにされる。その中にはもともと生え抜きとして巨人のユニホームをずっと着続けていたベテラン選手や途中移籍組の中堅クラス、そして今後の躍進を見込まれていた若い選手たちもいるだろう。

 「そういう選手たちは今オフの巨大補強を心の底から面白くないと感じている。実際に将来の有望株と目されている、ある若手は周囲に『こんな状況ならいくら頑張っても出る幕がない。同じリーグがダメならば、どこかパ・リーグの球団に自分を売り込んでもらえないでしょうか』と漏らして真剣に相談しているほど。

 ジャイアンツではそういうトレード志願が“タブー”であることが分かっていても、思わず口にしてしまうほど余剰人員となりそうな若手たちは危機感を募らせている。つまり、このままだと自分は“飼い殺し”にされてしまうのではないかと思っているのです」(球団関係者)

 不安を募らせているのは若手選手だけではない。ベテランも「何でこんなに獲るんだ?」と首をかしげている。前出の関係者はこう続けた。

 「先日、阿部(慎之助捕手)が東京都内のイベントで自軍の巨大補強について『読売ファイターズみたいになってますね』と言ったでしょう。言うまでもなく日本ハムの選手を巨人が多数獲得したからこそ揶揄して言ったわけで、しかも『この補強があるから主力がバシバシ給料、落とされたのかなと』まで嫌味を込めながら発言した。

 さすがにチームの精神的支柱である阿部が不満分子になるとは考えたくないが、彼が今のベテラン主力勢たちの不満を代弁したのは事実。来季は首脳陣が接し方をおろそかにしたり間違えたりしてしまうと、チーム内から弾かれたベテラン選手たちのブーイングが爆発してしまうかもしれないことは今から頭に入れていかなければいけない」

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