アサヒ、スーパードライの再成長狙う発売30周年の2017年(2/2 ページ)

» 2016年12月21日 18時18分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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「コト消費」を取り込む

 季節のイベントをきっかけにビールを飲む機会を増やす取り組みも実施する。1月末からは花見需要を喚起するため、桜色のパッケージ商品を期間限定で販売する。また、桜の開花時期に合わせて、全国を10地域に分けたエリアごとにキャンペーンパック商品を順次投入していく。4月には、東京スカイツリーの展望デッキを貸し切って開催するお花見イベントも計画。夏には花火イベントに合わせた取り組みも実施する。

photo お花見期間限定で販売する桜色のパッケージ商品

 また、20年に向けた長期的なキャンペーンも計画。五輪の開会式や閉会式の入場チケットを抽選で贈るキャンペーンや、47都道府県にゆかりのあるスポーツ選手による親子スポーツ教室の開催などを計画している。

 多様な取り組みによって、新規顧客の獲得にもつなげたい考えだ。現状では50〜60代が主要顧客となっていることから、「今ビールを飲んでいない人たち、特に若年層に飲んでもらう」(平野社長)ことを目指す。商品力の訴求に加え、イベントと結び付けたキャンペーンやブランドイメージの浸透に取り組む。

photo 「スーパードライ」の成長に向けた戦略を語った平野社長

海外でもブランド価値向上へ

 17年は海外展開も軌道に乗せたい考えだ。スーパードライを中心としたアサヒブランドの16年の海外販売数量は、前年比10%増の年間950万ケースを目標としており、17年には1000万ケースを超える見込み。今後、世界でも存在感のあるブランドへと成長させるため、ブランドの価値を高める施策を各地域に合わせて実施していく。平野社長は「広く薄くではなく、1国ずつしっかり取り組み、その国でのナンバーワンを取っていく」と話した。

 主要ビールブランドを相次ぎ買収した欧州市場については、「取得した会社は歴史が深い。今の販売ルートをすぐに変えることはせず、2年ぐらいかけて戦略を考える」と語った。スーパードライとの相乗効果を模索していく方針だ。

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