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» 2017年01月07日 08時00分 UPDATE

繁盛店から読み解くマーケティングトレンド:小売業の未来を米ロボットレストランに見た (2/4)

[岩崎剛幸,ITmedia]

 料理ができ上がると「〇番 ××様」と名前が表示されるので、そのボックスの前に行って画面をタップ。扉が開いてオーダーした料理が出てくるという仕組みです。レジがないのでレシートはなく、後からメールで送られてくるという仕組みです。

 注文から商品を受け取るまでの過程に、店のスタッフとのやり取りや会話はありませんし、そもそも店員の姿は見えません。そして提供方法がとても未来的であり、ロボット的だということで、現地ではロボットレストランや、無人ファストフード店などと呼ばれているのです。

 一緒に視察した方々も全員初めてだったこともあり、こんな店が世の中にあったのかと一様に驚きました。

店内にずらり並んだ透明のボックス。ここから商品が出てきます 店内にずらり並んだ透明のボックス。ここから商品が出てきます

人件費削減で質の良い商品を安く提供

 Eatsaは2015年8月に開業したばかりです。共同創業者の1人はグーグルでプロダクトマネジャーを務めた人だということです。

 どうしてもこの仕組みのおもしろさに目が行きがちですが、実際には同店で提供される商品の良さと価格、そして利便性という点で顧客の支持を得ているようです。

 同店のコンセプトは「Better、Faster Food」(超速フード)。ファストフードよりも、もっと速い店とでも言えるでしょうか。最新のIT技術を組み合わせることによってこのコンセプトを実現しています。

 しかし、人気なのは速さだけではありません。「ここのサラダが安くておいしい」と地元のビジネスマンには人気なのです。

商品が出てくるボックスのドアを開けたところ 商品が出てくるボックスのドアを開けたところ

 米国は特に健康志向の強い国です。最近ではオーガニック食品を専門に扱う食品スーパーも続々と誕生するほか、ホールフーズのようなナチュラル系やオーガニック食材に強いスーパーも人気があり、出店の勢いを増しています。

 「食のトレンドはサンフランシスコで始まり、ニューヨークで育つ」と言われるほど、同地は食に恵まれたエリアです。鮮魚や青果など農産物の調達がしやすい立地であるため、とてもおいしい素材を揃えることが可能です。従って、米国の他エリアよりもさらに健康志向が強いエリア特性になっているのです。

 このような志向を持った顧客に合わせて、Eatsaの提供メニューはサラダが中心で、8種類すべてに穀物「キヌア」が入っています。キヌアとは、南米で栽培されている擬似穀物。モデルやセレブの間で栄養価が高くダイエット食にもなると人気になっているスーパーフードです。

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