小売業の未来を米ロボットレストランに見た繁盛店から読み解くマーケティングトレンド(4/4 ページ)

» 2017年01月07日 08時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]
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日本の小売・サービス業のヒントに

 米国はまだ人口が減少していませんが、人件費の急騰は日本と同様です。時給も非常に高いのが悩みの種です。その点、Eatsaのような仕組みであれば人件費を抑えた新しいオペレーションによって収益を高めることができます。

 日本の場合は、今も有効求人倍率が1.38倍、新規有効求人倍率が2.09倍(いずれも2016年10月度厚生労働省発表数値)と上昇を続けています。特に外食業界は募集してもなかなか人が集まらない状況が続いています。

 その意味では、店頭のスタッフをゼロにするという発想はこれからの日本の小売・サービス業において必要なのではないかと思います。もちろん、すべての業態で店頭に人が必要ないのではなく、なくしても成り立つ業態はあるはずです。

 高い採用コストをかけて人を雇ってもすぐに辞めてしまう。採用はしたものの、店頭での接客サービス力が低くてクレームになる。こんな現場は意外と多いものです。

 Eatsaのようなロボットレストランはこのような悩みを解決してくれるビジネスモデルでしょう。特に人手不足に悩む日本の小売・サービス業においてはかなりのインパクトになるのではないかと感じています。

 消費不況に打ち勝つための経営のヒントをEatsaからぜひつかんでみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

岩崎 剛幸(いわさき たけゆき)

株式会社 船井総合研究所 上席コンサルタント兼ブランドプロデューサー

1969年、静岡市生まれ。ファッションを専門分野とした流通小売業界のコンサルティングのスペシャリスト。百貨店の営業戦略および全社MD戦略立案、GMSの売場再構築、大手メーカーの新規ブランド開発、SPA型小売業の事業戦略策定、中小専門店の現場支援コンサルティングなどを通じ、各業界で注目を集めるグレートカンパニーを数多く輩出させている。街歩きと店歩きによる消費トレンド分析と予測に定評があり、最近ではテレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。

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